城戸賞
受賞者の声

第43回城戸賞 佳作 岡田鉄兵「死にぞこない男の夏休み」

岡田鉄兵 昨年に引き続き、佳作に選出していただきまして心より御礼申し上げます。
 今年は398篇、過去最高の応募数だったそうです。次回、城戸賞に出そうと考えている方は是非、私の脚本をお読みください。「この程度なら書ける」と勇気百倍で挑む事ができます。

 賞を賜れたのは運の部分が大きい。その運をきっかけに映像化までされればと淡い期待まで図々しく持っております。何かございましたら、ご連絡下さい。
  この『死にぞこない男の夏休み』は漫才のような掛け合い台詞が多く、大いに笑って貰えれば幸いです。

 最後に。選んでいただいた方々の期待に沿えるよう、謙虚に精進いたします。本当にありがとうございました。

 

第43回城戸賞 佳作 よよ「モザイク」

よよ正直、入選に及ばなかったことがとても悔しいです。ですが、伸びしろを評価してくださったことに感謝し、モチベーションを維持して書き続けていきたいと思います。
「モザイク」は全盲の女性が手術によって28年ぶりに視力を取り戻すも視覚的な世界に適応できず、苦悩する姿を通して、「見える」とは何かに向き合った作品です。「障害を乗り越える」とよく言いますが、障害は乗り越えるものでも、また受け入れるものでもない。一生付き合うと覚悟するものなんだと取材を通して得た思いを込めました。
執筆にあたり、こちらの不躾な質問に快く答えてくださったNさんにこの場をかりてお礼を申し上げます。そして、ここまでこの作品を残してくださった審査員の方々、「城戸賞」という挑戦の場を提供し運営してくださる方々にも重ねてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 

 

第43回城戸賞 佳作 坪井努「影が咲く」

坪井努 「中学二年生のクラスの中で存在しないものとして扱われている少年と同性愛者でその事を理由にイジメを受けている少年の二人が体育館のステージで全校生徒を前に自分達の事をネタにした漫才をして、笑いを武器に残酷な現実と闘う」話を書きました。

 <お笑い>はなぜ誕生しなければならなかったのか。と師に問われました。難題でした。

 この物語にはいろいろな「笑い」が描かれています。人を楽しませようとして起こした笑い、事故的に起きた笑い、人を傷つけて生まれる笑い。笑いとはまさに諸刃の剣です。一方でこの物語は全く笑いを起こせない売れない芸人とお笑いに未練がある元芸人の〈お笑い〉に呪縛された中年男達の話でもあります。覚悟を決め「笑い」と格闘するお笑い芸人への尊敬、そして夢と現実の折り合いをつける表現者の苦悩だけでも書けていたらと思います。

 佳作に選出していただいた事を励みに、精進して書き続けていきます。

 

第43回城戸賞 佳作 松原慧「機人の夏」

松原慧 もう一つのパラ五輪、機械と障害者の力を合わせて闘われるサイバスロン″。そんな競技の存在を知った夏、矢も盾も堪らず草稿を書き上げました。
 忸怩たる想いもあります。執筆には全霊を注ぎましたが、障害当事者ではない私が描く競技者の姿は私自身の理想像に収まらざるを得ない。どう繕っても所謂、感動ポルノ″の域を出ないのではと悩みました。
 とはいえ石を投げたかった。水面に波を立て、彼らの驚嘆すべくタフな闘いを知って欲しいと願いました。他方では障害者への悲しい暴力、忌むべき事件が報道を賑わせてもいます。そんな世相にいち脚本が力を及ぼすと思うほど傲慢ではありません。ですが今後、掲載される作品をお読みになる方が、心の隅に何かを留めて下さるとするなら、作者にとって無上の喜びです。
 本作をご選出頂いた審査員の皆様。支えてくれた家族、先生、友人達と先般、鬼籍に入られたスポーツを愛する伯父に、心からの感謝を捧げます。

 


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